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平成20年度教化活動委員会研修会講義録
「脳科学と哲学・宗教
受動意識仮説は脳と心の問題を解決できるのか?
慶應義塾大学教授  前野隆司

発刊にあたって

 祖師達磨とその弟子慧可との問答がある。「私の心はまだ不安で安らぐことかありません」という弟子に対して「その心を持ってきて見せてみよ」と達磨はいう、弟子は「その心を求めて来たのですが見つかりません」と答えると達磨は「これでおまえを安心させてやったぞ」と答えている。この達磨安心の問答は、我々僧侶が究明すべき究極の問題であり、心とは何か、自分とは何かの探求はおおくの宗教が取り組んできた大問題である。
 現代の科学では人間の心は何処に存在し、どのような仕組みになっているのかということを解明する努力が続けられている。ロボットエ学の分野では少しでも人間に近い人工知能の研究が進められている。その成果はめざましく多くの謎が解明されてきた。
 この現代科学の成果は我々仏教僧侶が追い求めてきた心の問題と対立するものではなく、その道筋の正しいことを違う視点から証明している。人間の心の正体を突き止めようとする努力はこれからも続けられるだろう。同じ心の問題を扱う我々僧侶が、現代科学の成果の一端にふれる機会を与えていただいた慶應義塾大学教授前野隆司氏に感謝申し上げる。これからの研究の発展とその成果に注目していきたい。
 

2008年12月20日
相国寺住職 有 馬 ョ 底
 

目 次

第一講. 心のクオリアの謎を解く受動意識仮説
一. はじめに
二. 心とは何か
三. 意識とは何か
四. ニューラルネットワーク  
五. 意識とは何か  
六. エピソード記憶の働き  
七. 受動意識仮説  
八. 意識される「知」「情」「意」は受動的か?  
  質疑  
第二講. 感覚も自己意識も脳のニューラルネットワークが作った幻想なのか?  
一. 前講義に対するいくつかの質問
二. 感覚は幻想か ラマチャンドラの実験
三. 錯 覚
四. 意識されるタイミングの不思議  
五. 下條信輔先生達の実験  
六. その他の実験  
七. フィードバック・フィードフォワード  
  質疑  
第三講. 悟りの境地は脳科学で説明できるのか?
一. 自己意識
二. 心身一元論と心身二元論
三. 仏教の世界観 「空」
四. アイソレーションタンク  
五. 悟りの境地とは何か  
六. 無我と非我  
  質疑  
第四講. 受動意識と宗教・哲学・科学の歴史
 ロボットの身体と心
一. 受動意識仮説の復習
二. 様々な思想と受動意識仮説
三. 老荘思想
四. キリスト教  
五. キリストは自由意志を認めたか  
六. デカルトと近代思想  
七. 近代哲学の異端者  
八. 現代哲学と受動意識仮説  
九. 構造主義
十. ポスト構造主義
十一. ニヒリズム
十二. フロイト  
十三. リオタール  
十四. 人とロボット  
  質疑  

 

ご希望の方は、下記の要領でお申し込みください。

費 用: 送料込み実費 ¥1000
申込方法: 住所、氏名、電話番号、e-mailを明記の上、
現金書留で上記費用を申込先までお送りください。
申込先: 〒602−0898
京都市上京区今出川通烏丸東入
  相国寺門前町701
相国寺 教化活動委員会 宛

 

 

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