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狩野派と近世絵画 〜爛漫と枯淡と〜

【併催 名碗三十撰】

《後期》平成20年12月6日(土)〜平成21年3月29日(日)
年末年始休館 平成20年12月27日(土)〜平成21年1月5日(月)

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展覧会概要

日本最大の画派 狩野派

 狩野派とは、室町時代の中期から江戸時代の末期に到るまで、およそ400年間もの長きにわたって、常に画壇の中心に在り続け、数々の名作を世に送り出した専門画家の集団のことです。室町幕府に御用絵師として仕えた初代の狩野正信以来、その系譜を継ぐ画家たちは、織田信長や豊臣秀吉、そして天皇家や徳川家の歴代将軍など、各時代の権力者の好みに応じてその画技を提供し、最大の画派として強い力を持ち続けました。内裏や城郭、大寺院などの障壁画制作はもとより、室内を飾るための掛軸や屏風、はては扇面や短冊、工芸品の図案などに至るまで、およそ狩野派の手がけなかった分野はないといっても過言ではないでしょう。
 

狩野派と相国寺

  • 初代・正信の相国寺における活躍

 狩野派と相国寺には極めて深い縁があります。狩野派が歴史に登場する最初は、相国寺の塔頭、鹿苑院内にあった蔭涼軒の公的日記である『蔭涼軒日録』に現れるものなのです。寛正4年(1463)に鹿苑院内の雲頂院の照堂に狩野派の初代の正信が「観音羅漢図」を描いたことを伝えるこの記事以降も狩野派の画事に関する記述は相次ぎ、狩野派と相国寺の深い関係を今に伝えています。
 また、狩野派の顧客であった為政者たちは、同時に相国寺の庇護者でもあることが多かったことも幸いしました。正信が御用絵師に任命されたことは、狩野派隆盛の直接的なきっかけでしたが、時の将軍は相国寺の 山外塔頭である慈照寺(銀閣寺)の開基でもある足利幕府8代将軍足利義政でした。残念ながら現存はしていませんが、義政が元信に命じて後に慈照寺となる東山山荘に多数の障壁画を描かせていたことは特筆されます。
 


「商山四皓図(三幅対のうち)」狩野元信筆

  • 狩野派歴代――その足跡

 正信から元信、元信から松栄、そして永徳へと伝えられた画風を継承したのが光信です。相国寺の境内中央には、現存最大の法堂建築として、中央にそびえ立つ重要文化財の法堂天井画の蟠龍図は光信が渾身の力で描き上げた傑作であり、今もなお威容を誇っています。



「相国寺法堂天井画 蟠龍図」狩野光信筆

 

 光信の甥で狩野派を継ぎ、近世におけるその立場を確固たるものにした中興の祖が探幽です。江戸幕府とも、宮中とも密接な関係を持った探幽ですが、当時の鹿苑寺に住した名僧、鳳林承章との関係には特に深いものがありました。探幽の弟である安信も鳳林とは親しく、探幽たちは鳳林の依頼に応じて、一門を率いて「列祖像」を描き上げています。



「杜子美図」狩野探幽筆 石川丈山賛

  • 列祖像――江戸初期狩野派の底力

 今回が初の公開となる「列祖像」は、寛政の御所造営にあたって相国寺が障壁画制作の場を提供したことに由来するもの。狩野派の絵師たちは明暦元年(1656)四月からほぼ半年もの間、相国寺に滞在していました。彼らが仕事を終えて帰る直前、当時の相国寺の僧侶たちは、達磨大師から、相国寺の実質的な開山である春屋妙葩までの30人の祖師たちの絵を描いてもらうことを依頼し、快諾を得たのです。今回の展示では当時の狩野派の精鋭たちが渾身の力で描いたこの記念すべき作品の全てを、一堂に公開いたします。

 ほかにも、狩野福信(洞春)筆「中維摩居士・左右雲龍図」や狩野永常筆「四季耕作図屏風」など、枯淡な趣を見せる狩野派作品は多数。時代が移り変わるごとに変化していく為政者の好みを、敏感に察知してその表現を変化させ、室町から幕末まで、長い年月にわたって最大の画派であり続けた狩野派の力量をご体感いただけますと幸いです。


「中維摩居士・左右雲龍図」狩野福信筆

  • 狩野派と他派の競演
    ――「蔦の細道図屏風」「花下遊楽図屏風」特別展示

 また、狩野派に対抗し、あるいは並立し、あるいは派生した琳派、鶴沢派、原派の作品も、相国寺には多数伝えられています。本展ではこれら他派の作品も展示し、比較によってより深く狩野派の世界を楽しんでいただけるように構成いたしました。【後期】の特別出品は、重要文化財に指定されている俵屋宗達による琳派を代表する傑作「蔦の細道図屏風」。金泥と緑青が織りなす、文字通り輝ける美しさをご堪能下さい。




重要文化財「蔦の細道図屏風」俵屋宗達筆

 また、狩野派が活躍したのと同じ時代に花開いた、風俗図の傑作である重要文化財「花下遊楽図屏風」も特別に展示いたします。画面に満ちる、爛漫な春の情趣もお楽しみ下さい。


重要文化財「花下遊楽図屏風(部分)」

 

併催 名碗三十撰

 当館は優れた茶道具の数々をも収蔵していますが、中でも茶碗については特に際立ったコレクションが形成されています。実際に客が手に取って茶を喫し、亭主の思いを汲むことから、数ある茶道具の中でも最も重要視される茶碗について、本展では、収蔵品の中から特に名碗三十点を選出して展示を行います。
 《後期》では重要文化財「本阿弥光悦造 赤楽茶碗 加賀」を特別展示いたします。当館初公開となる傑作を含む名碗による、茶の湯の美意識の精華をお楽しみ下さい。
 


重要文化財「赤楽茶碗 加賀」本阿弥光悦造

 

主な出展作品

東坡居士笠履図 伝狩野正信(祐勢)筆 室町

中商山四皓・左右山水図 三幅対 狩野元信(永仙)筆 室町
 
杜子美図 狩野守信(探幽)筆 石川丈山賛 江戸
 
達磨図 狩野守信(探幽)筆 玉舟宗璠賛 江戸
 
中猩々・右竹雀・左柳燕図 三幅対 狩野尚信(主馬)筆 江戸
 
文殊菩薩・龍・虎図 三幅対 狩野安信(永真)筆

中観音菩薩・左右十六羅漢図 三幅対 狩野秀信(柳雪)筆 江戸

達磨図 山本素軒筆 江戸

錫杖達磨図 狩野益信筆(洞雲) 江戸

狩野福信(洞春)筆「中維摩居士 左右雲龍図」三幅対 江戸

列祖像 狩野派

ほか

【参考出品】

重要文化財 蔦の細道図屏風 俵屋宗達筆

重要文化財 花下遊楽図屏風
 

名品茶碗三十撰

重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦造 桃山

堅手雨漏茶碗 季朝

祥瑞丸紋胴紐茶碗 明

奥高麗茶碗 銘 関戸の宿 桃山

ほか

 

常設展示紹介

第一展示室

夕佳亭


第一展示室「夕佳亭」展示風景
http://www.shokoku-ji.or.jp/kinkakuji/guide/sekkatei.html

第二展示室

重要文化財 伊藤若冲筆
「鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図床貼付」


「鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図床貼付」展示風景
http://www.shokoku-ji.or.jp/jotenkaku/treasure/index_04jakuchu/ojoin.html

 

開催要項

狩野派と近世絵画【後期】
――爛漫と枯淡と――
<併催 名碗三十撰>
平成20年12月6日(土)〜平成21年3月29日(日)

年末年始休館 平成20年12月27日(土)〜平成21年1月5日(月)


開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
拝観料:一般800円 65歳以上・大学生:600円 中高生:300円 小学生:200円 
(一般の方に限り、20名様以上は100円団体割引いたします)
※障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料 バリアフリー対応

※前期の展覧会を御覧戴いた一般の方は、半券をご提示いただければ後期の入場料金を100円引きとさせていただきます。

会  場 : 相国寺承天閣美術館
問 合 せ: 075-241-0423

承天閣美術館 事務局
〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入

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